今だから 書ける、この本のウラ話 第11回 『切手と風景印でたどる百名山』(発行・ふくろう社 発売・里文出版)


今だから 書ける、この本のウラ話 第11回

切手と風景印でたどる百名山』(発行・ふくろう社 発売・里文出版) 広告代理店社長・櫻田隆範さん

深田久弥『日木百名山』(新潮社)は昭和39年の発行以来、版を重ね、50年近く経ちました。久弥終焉の山、山梨・茅ケ岳の麓に造成された深田記念公園には「百の頂きに百の喜びあり」の石碑が建てられ毎年四月に深田祭りが営まれます。山好きには、深田久弥と著作の『日本百名山』は神様とバイプルのようなものになりました。深田久弥の紀行文に魅せられ、憧れの山々を思い浮がべ、遂には百名山のすべての頂に立ってみたいと願うのも無理からぬところでした。百名山を目指す中高年登山プームで本式の登山家でない素人達がどっと山に繰り出し、本物の山屋さんは眉をひそめるようになりました。NHK衛星第二で放送された「日本百名山」は相川浩アナウンサーのナレーションで人気になり、ビデオやDVDになりました。百名山の類書が数多ある中で、私なりの特徴を出したいと希い、色鮮やかな切手と風景印で花の山旅を飾ろうと思い付きました。日本の切手は絵柄と色使いが素晴らしく収集家が絶えません。風景印とは全国の郵便局が地域の名勝名物を刻んだ消印で、その地の自慢が小さなゴム印に溢れています。切手と風景印は駄酒落ではありまぜんが「切っても切れぬ夫婦」のようなものです。風景印とかねて蒐集していた切手を組み合わせ、『切手と風景印でたどる百名山』が生まれました。

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